Society学会概要

Chairman's messageごあいさつ

三輪 高喜
(金沢医科大学医学部耳鼻咽喉科学)

 このたび、日本口腔・咽頭科学会の第5代理事長を拝命しました。30年におよぶ歴史ある学会の理事長をお引き受けし、身の引き締まる思いであります。

 本学会は日本耳鼻咽喉科学会の関連学会の一つであります。口腔・咽頭は、上下に約20cm、前後に10cm、左右に5cmの管腔とそれを取り囲む臓器で成り立ち、人体全体の中でも非常に限られた部位でありますが、食物のみならず様々な体外の物を受け入れあるいは拒絶する、人体にとって非常に重要な部位であります。また、その機能も、咀嚼・嚥下、構音、味覚、生体防御と複雑であり、発生する疾患もこれらの機能異常のほか、感染症、腫瘍、咽頭異常感症、睡眠障害、唾液分泌障害など多岐にわたっており、近年ではIgG4関連疾患など新たな概念の疾患も生まれてきています。
 本学会では、これらの機構を解明するとともに、その障害に対して基礎的、臨床的研究を推進し、最終的には医療の向上、国民の健康維持に貢献することを目的としております。近年の基礎的、臨床的研究の発展により、多くの問題が解決されてきましたが、まだ未解決な部分も数多く残されています。特に超高齢社会を迎え高齢者人口が増加し、嚥下障害、味覚障害、口腔乾燥などの機能低下、機能障害を抱える患者は増えていますが、まだ完全な予防法、治療法は見いだせていません。睡眠時無呼吸症候群に対しても、根本的な治療法は未だありません。われわれ耳鼻咽喉科医が行う手術に関しては、さまざまなデバイスの出現により、低侵襲化が図られていますが、ロボット手術を含めて緒に就いたところであり、今後のさらなる発展の余地を残しています。その先にはQOLを維持した上での生命予後の改善が求められます。咽頭を中心とする感染症に関しては、抗菌薬の普及と、重症感染症に対する治療経験の蓄積により、救命率は向上していますが、今後は、診断と治療の標準化を図り、より効率的で確実な手段を国民に発信することも学会の持つ使命であると考えます。このように口腔・咽頭領域の中でも細分して考えますと、本学会がなすべきことが明らかとなってきます。

 今後3年間、日本口腔・咽頭科学会理事長として口腔・咽頭領域の研究、臨床の発展に尽力する所存でございます。会員の皆様はもとより、日本耳鼻咽喉科学会ならびに関連する学会の皆さまのご支援、ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

日本口腔・咽頭科学会
理事長 三輪高喜