7 2.コブレーターによる被膜外口蓋□桃摘出術【解説】 コブレーションは低温(cool)と切除(ablation) の 2 語からなる造語であり、低温(40〜70℃)で結合組織が切除され、周囲組織の熱損傷が少ない高周波低温メスである(図 1A)。□桃組織を被膜とともに摘出する被膜外口蓋□桃摘出術においては、術後の□痛による ADL の低下が入院期間の短縮が困難な主な理由の一つである。他のパワーデバイスと比較して、深部への熱損傷が少ない本法は、術後□痛が少ないことが多くの報告で示されており(図 2)1)、入院期間の短縮による医療経済学的効果が期待される。コブレーション用ワンドにはコブレーションモードによる切除、凝固モードによる止血、および吸引の 3 つの機能が備わっており、フットスイッチで切除・止血操 作 を 行 う こ と が 可 能 で あ る( 図1B)。目的に応じて器具を持ち替える必要がないため、術者の負担軽減や手術時間の短縮に寄与する。一方で、不用意な筋層への操作は深部組織の損傷や出血のリスクが有り、内視鏡や顕微鏡、外視鏡を使用して拡大明視下に手術を遂行する。【コブレーターの導入】 コブレーター本体、フットスイッチ、流量調節弁ユニット本体、流量調節弁ユニットケーブル、電源コードで構成されるコブレーター 2 サージェリーシステムセット(スミス・アンド・ネフュー株式会社、希望小売価格 2,200,000 円)を導入する。□桃摘出術に用いるディスポーザブルワンドは EVacTM 70 EXTRA、PROciseTM EZ-VIEW、PROciseTM EZ である(表 1)。先端径、アクティブ電極の形状、イリゲーション孔の位置に違いがあるが、性能や操作性に大きな差はない。コブレーションによる□桃摘出術では、常に切除部を十分に牽引できるようにその都度把持部位を変えることができる鉗子を使用することを推奨する(図 3)。開口器はデービス式等の□桃摘出術用の一般的な開口器で問題ないが、□桃下極の良好な視野を確保するためにブレードが湾曲しているものを推奨する。パワーデバイスを用いた口蓋□桃・アデノイド手術の手引き
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