1.総説 口蓋□桃摘出術の手術後の管理において解決すべき主要な問題点は、術後出血および□痛である。 術後出血に関しては小児で 1%前後、成人では 10%を超える報告も散見され、 ① 再手術および入院期間の延長に伴う人的および金銭的なコストの増大 ② 死亡事故および後遺症による訴訟リスク ③ 患者の社会復帰(仕事や学校など)の遅れに伴う社会的損失といった問題を引き起こすことから可能な限りその可能性を低下させることが重要である。 □痛に関しては検討が難しいことから詳細な報告は少ないが、経口摂取量の低下、鎮痛剤使用の増加、手術への心理的抵抗などにつながることから、できるだけ軽減させることが望ましい。 出血や□痛は、周辺組織(□桃摘出においては□桃床の筋肉・結合組織および口蓋弓の粘膜)の損傷や感染、止血に伴う過度な熱凝固により起こると考えられることから、これらへの影響を可能な限り小さくすることが大切である。従来用いられてきた一般的なバイポーラデバイスや電気メスなどのパワーデバイスを用いることで(Hot Tonsillectomy)、結紮(Cold Steel Tonsillectomy)と比べて効率的に止血が得られるものの、組織に 100℃を超える熱変性が起こるため、熱により周囲組織の損傷・壊死が起こることが問題であり、筋肉などの周囲組織に感染が惹起されやすい。 本手引きでは、熱損傷を抑えることができる、コブレーターとバイザクトを用いた手術法について説明する。Ⅱ パワーデバイスによる被膜外口蓋□桃摘出術パワーデバイスを用いた口蓋□桃・アデノイド手術の手引き6
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