パワーデバイスを用いた口蓋扁桃・アデノイド手術の手引き
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4.鏡視下パワーデバイスによるアデノイド切除術(EPA)のエビデンス【マイクロデブリッダーによる EPA 手術のエビデンス】 従来法とマイクロデブリッター EPA 法の比較についての文献的検討では、手術時間と出血量については両群間では大きな差はないとの報告がほとんどである。・マイクロデブリッダー使用による adenoidectomy(久保ら5)、Costantini F 2)、Somani SS 6))・従来法による adenoidectomy(Songu 9))      ・ Kimseyら10)は従来法とマイクロデブリッダーによるアデノイド切除術を比較検討し、手術時間と止血に要した時間はマイクロデブリッターによる EPA 法の方が有意に短かったと述べている。出血量および合併症の発生率においては 2 群間に有意差は認めなかった。・ Sureyyaら11)は従来法で手術を行なった 30 人(年齢 7.07 ± 2.95 の男児 15 人、女児 15 人)とマイクリデブリッダー EPA 法にて行なった 30 人(年齢 7.83 ± 3.16 の男児 15 人、女児 15 人)とのランダム化比較試験を行なったところ、手術時間、止血時間、術中合併症、術後□痛の程度について有意差は認めなかった。 以上のように、従来法とマイクロデブリッダー EPA 法とでは手術所要時間や出血量、術中および術後合併症に関しては有意差を認めないとする報告が多い。しかし、残存アデノイドや術後AHI の改善度に関してはマイクロデブリッダー EPA 法が優れていると思われる。より良い AHIの改善を目指すことは再手術の頻度を減らすことにつながることが予想され、小児 OSA 患者の再度の全身麻酔や手術の負担を軽減でき、ひいては医療費の削減にもつながる。 さらに、良好な視野で精緻な切除が可能なことから周囲組織の副損傷も起きにくく、より安全・確実な手術法であると考えられる(統計学的データはない)。 以上のことから、マイクロデブリッダー・アデノイド切除術(EPA)は、小児の OSA や OME手術加療として有用な手術手技であると考えられる。パワーデバイスを用いた口蓋□桃・アデノイド手術の手引き50

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