パワーデバイスを用いた口蓋扁桃・アデノイド手術の手引き
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3.コブレーターによる EPA 手術【VTR 参照】【概要】 コブレーションは低温(cool)と切除(ablation)の2 語からなる造語であり、低温(40〜70℃)で結合組織が切除され , 周囲組織の熱損傷が少ない高周波低温メスである。他のホット・パワーデバイスと比較して、深部への熱損傷が少ないことが知られている。コブレーション用ワンドにはアブレーションモードによる切除、凝固モードによる止血、および吸引の 3 つの機能が備わっており、フットスイッチで切除・止血操作を行うことが可能である。目的に応じて器具を持ち替える必要がないため、術者の負担軽減や手術時間の短縮に寄与する。一方で、不用意な筋層への操作は深部組織の損傷や出血のリスクがあり、内視鏡や顕微鏡下に使用することが推奨される(図 1)。【コブレーターによる EPA 手術手順】・ デバイス出力はアブレーションモード 7〜9、焼灼モード 3 に設定する。・ 開口器にて咽頭の術野を確保した後、ネラトンチューブ等を用いて軟口蓋を左右対称に牽引する。・70°斜視硬性鏡を咽頭腔に挿入し、上咽頭のアデノイドを明視下に置く(図 2A)。 ( 顕微鏡を使用する場合には、間接後鼻鏡を使用する。)・ コブレーション用ワンドを 20°程度曲げ、切除モードの際に目詰まりを起こさないように加圧バッグなどを使用して生理食塩水を十分に出すようにする。・ アデノイド表面をワンドで頭側から尾側の方向に撫でるようにして、アデノイドを切除していく(図 2B)。・ 鼻中隔および下鼻甲介の後端が十分に確認できるようになるまでアデノイドを切除する(図 2C)。・出血部位は焼灼モードで止血を行う。 顕微鏡下に行う場合には、咽頭腔に後鼻鏡を挿入し、もう一方の手でワンドを操作する。0°内視鏡を経鼻的に挿入し、ワンドを経口的に挿入する方法も報告されている1,2)。図 148図 2パワーデバイスを用いた口蓋□桃・アデノイド手術の手引き

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