パワーデバイスを用いた口蓋扁桃・アデノイド手術の手引き
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ュー(2017 年:19 編の RCTs + 13 編の観察研究)では、PIT は術後出血の中でも晩期出血(Late bleeding)を従来型の Tonsillectomy(cTE)の 79%減少させるとともに(p < 0.01)、普通食の摂取可能までの期間を 2.8 日に短縮したと報告されている。その結果、術後の再入院を 62%減少させた(p < 0.01)17)。 Vicini らは 3-14 歳児 450 例の口蓋□桃手術についての後方視的観察研究によって、術後出血率は従来型の Tonsillectomy (cTE)で 6.8%であるのに対して、PIT では 0.7%と低値であった18)。その他の多くの臨床研究においても、一貫して PIT では従来型の Tonsillectomy (cTE)に比べて 術後出血率を減少させるとともに、術後の□痛を抑えることから術後早期に摂食可能となり、術後の摂食障害・脱水などの合併症が起き難いとの結果が報告されている19)。 以上、特に術後の晩期出血(Late bleeding)が著明に減少するとともに、術後□痛が軽減されることが示されている。 Khoueir et al., 2021 20)の小児 OSA 患児 107 例におけるコブレーターを用いた PIT の前向き研究では、保護者の視点での□痛スコアはすべてのポイントで低く、術後の鎮痛剤の使用期間は平均 1.93 日であったとしている。また、術後の通常の食事摂取再開は平均 2.42 日、通常の活動再開は平均 2.7 日であったとしている。全症例において術後出血は認めていない。【長期予後:□桃再増殖について】 鏡視下パワーデバイスによる PIT では遺残□桃の再増殖の可能性が懸念されている。Doshi et al., 2011 21)は、マイクロデブリッターを用いて PIT を施行した 11 歳未満の 559 例における術後経過を観察したところ、33 例(5.9%)に□桃再増殖を認めたとし、そのうちの 5 例は再手術が施行されていると報告されている。特に、5 歳未満の症例では、再増殖を生じる割合が 5 倍であったとしている。また、Amin et al., 2017 22)のコブレーターを用いた PIT を施行した 1,257 例における報告では、2.6%で□桃再増殖を認め再手術に至ったとしている。再手術の予測因子として、初回手術が 2 歳未満の症例(Odds Ratio 5.10)、重度の OSA 症例(Odds Ratio 4.43)を挙げている。 一方、近年の大規模研究では、Soaper ら(2020 年)23)は 2500 例(従来型 Tonsillectomy(cTE):パワーデバイスを用いた口蓋□桃・アデノイド手術の手引き32

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