【マイクロデブリッターによる PIT 手術の Tips & Pitfalls】・深追いしないこと:本手術のコンセプトは、80-90%程度の切除を目指すこと。 出血が多くなってきたらそれ以上の深追い切除は行なわない。・デブリッターの回転数を 600-800 回転 / 分に落として用いる。・ 被膜近くでは押しつけない:被膜を損傷することがあるため、デブリッターの吸引で□桃組織を引き剥がすようにして切除する。・摘出後には、必要最小限の凝固止血にとどめるよう心がける。コラム□桃実質の深度(被膜の深さ)の目安について① 口蓋扁桃は被膜に接着した塊となっているので、扁桃実質もしくは被膜外から扁桃剥離子や口蓋弓鈎などで押すと、扁桃全体が滑るように動く。被膜が近くなり扁桃実質がなくなってくると、押しても動きがなくなってくるので、切除の深さが推定可能である。② マイクロデブリッターでは、回転数を 600-800 回転 / 分に落として用いると、扁桃実質のみが吸引で引き剥がされてくる。ある程度切除が進んだら、扁桃に押し付ける操作は控えて、扁桃組織にデブリッターのブレードを軽く押しあてて引き上げると、扁桃組織は吸引されて被膜からはがれて深部の滑らかな被膜が露出してくるので、分かりやすい。③ 扁桃実質内からの出血は軽微である場合が多いが、被膜近くの結合織のひだ部分などには血管があるので、出血が多めになってきたら切除を止める。エピネフリン綿球などで圧迫して血液を除去すると、被膜構造が明視しやすくなる。④ マイクロデブリッターでは、扁桃実質をほぼ 100%切除することも可能であるが、手術コンセプトは 80-90%程度の切除であるから、一部でも被膜が出てきたら、それ以上は無理に深追いする必要はない。パワーデバイスを用いた口蓋□桃・アデノイド手術の手引き28
元のページ ../index.html#30